10歳ぐらいまでの幼少年期の運動機能の発達は知能の発達につながることをご存知でしょうか?
最近の研究では幼少年期の身体能力が形成が将来の知識や性格にも影響するとわかってきました。
実際にここ数年の間、幼児体育教室のような机の上の勉強ではなく
子供に体を使わせることにフォーカスした活動が増えてきています。
今回の記事では、そんな最新に研究に基づいた幼少年期の体操が子供にどんな影響があるのか
また、おうちで出来る幼児体操のやり方やメリットについてお話しさせて頂きます。
身体能力が低下していく子供たち
およそここ数10年の間、様々なテクノロジーの進化で私たちの生活はとっても便利なものになりました。通販システムの発達で買い物に行く機会が減り、徒歩より自転車や車を利用し、送迎バスや電車路線の沿線でますます歩く機会は減ってきていると言えます。
忙しい現代社会において「時短」というキーワードが重視され、これから約10年先にはさらに家の中で大体のことを済ませる生活が現実する時代がくるとも言われています。
便利で快適な生活ができる点では良いですが、私たち子供にとっては時代が発展した分、体を動かす機会が奪われているとも言えるでしょう。
昔は田んぼや庭で思いっきり遊ばせることができましたが、今の都心では車の増加やマンションなどの新築などが頻繁に行われて親が目を離して遊ばせるには危険要素が多いですよね。
共働きで忙しいママパパにとっては一日中子供に付き合うことは難しく、結局1日の大半の時間を家の中で過ごさせてしまい、体力が有り余った子供は夜には中々寝てくれなくて、結局、ママがイライラして怒ってしまうこともよくあると思います。
最新の研究で言える脳と身体の関係
一般的に私たちの脳は、新しい細胞の生成と不要な細胞の死滅を繰り返し、20歳までほぼ完成すると言われています。20歳から成年と認めるのもこの脳の発達時期に関係していると分かります。
脳の発達には年齢別に段階がありますが、世界中の研究機関では運動機能と脳の発達の関係が明らかにされています。
例えば、空間認知能力を鍛えると論理的で計算が上手になる、指をたくさん動かせる作業で記憶力の向上に役立つことはよく知られる話です。
つまり、脳を刺激することが認知機能の発達につながり、脳を刺激するためには身体を動かすことが有効であるとのことです。
認知能力・非認知能力を同時に育てる体操のメリット
ゴールデンエイジとは3歳から10歳までの柔軟性が高く生涯において最も大事な時期。
この時期は認知能力はもちろん、これからの時代に必須となる非認知能力を育てるためにも最も適した年頃です。
非認知能力に関する詳しく知りたい方は以下の記事をご参考くださいね。
子供が本来持っている能力を上手に育てるためには、日常生活ではない様々な動き方
つまり、全身を使った体操で脳を刺激させる必要があります。
体操って言ってもどんなことをすればいいか分からないという方、ご心配ありません。
毎日30分、おうちの中で子供と一緒に簡単な遊びをするだけで十分です。
「おうち体操のメリット」
- お手軽、狭い部屋でも余裕でできる
- 忍耐力・空間認知能力・集中力などを鍛えられる
- 「できない」から「できた」へ、やり抜く力が育つ
- ママと触れ合うことで自己肯定感が育つ(ママもストレス軽減効果)
- 適度な運動でぐっすり眠れる
- 運動神経の発達は他の活動の自信にも繋がる
このように簡単なおうち体操を通じて様々な能力を育むことができます。
また、ママにとっては日々の子育てを楽しくやり過ごせることにもつながります。
それでは具体的にどんな運動がどのように脳を刺激するか見て参りましょう。
ママと一緒に楽しもう!おうちでできる脳育体操
記憶力が向上する「ぶら下がり」
握力と腕力は胸部の発達に関連すると言われています。胸部が発達することは息をするとき吸い込む酸素量が多くなることを意味します。
つまり、脳内の酸素量が増えると大脳が活発化し、記憶力を含んだ認知能力の向上が期待できます。
実際に最近流行のロングブレスも同じ原理で、認知症の治療にも活用されていることはおそらく皆さんもご存知と思います。
学校の体育授業に鉄棒があるのも腕力や握力が知能にも影響するからなのではないでしょうか。
我が家ではルーム用のランニングマシンを使って子供がふら下がったりして遊んでいますが、
おうちの中でぶら下がるところがないという方は、ママやパパの腕でも構いません。
子供がまだ小さいうちはむしろママやパパと絡んむ方が子供も嬉しいでしょうし、親御さんにとてもちょっとした運動になって一石二鳥でしょう。
想像力・空間認知能力を鍛える「風船リフティング」
風船でリフティングをされたご経験があるでしょうか。
ボールと違ってすぐには落ちてはこない風船は頭や体に落ちてきても心配なく、特に幼児期の子供に取っては最適の遊びと言えます。
落ちてくるスピードが遅い分、待つことへの忍耐力や
おそらくこっちに落ちてくるだろうとの方向考える想像力、力加減を調整する身体抑制能力などが鍛えられます。
大人も一度やってみれば分かりますが、飛ばす方向を予測して、力加減の抑えたりすることが最初はとっても難しいものです。
手・足・頭どちらを使っても良いし、落とさず何回もリフティングできたという達成感は
粘り強く挑戦していくうちに子供の将来に飛躍できる基盤となるでしょう。
忍耐力・空間認知能力を鍛える「プチバスケ」
バスケット言っても必ず立派なバスケットボールやバスケネットがなくてもいいです。
なんとなくおうちにある小さなバケツと軽いゴムボールで行います。
それらがない場合は、コミ箱と紙を丸めたものでも代用できます。
この遊びは、ボールを投げるときの力加減とバケツの距離を予測し、
辛抱強く成功するまで投げて見ることで忍耐力の形成につながります。
またバケツという目的物を正確に狙うための集中力も必要となります。
子供の年齢と能力に合わせて距離を調整しながら、何より楽しく取り組むことが大事です。
集中力・平衡感覚を伸ばす「前転」
前転は日常生活ではない動き方。普段はあまり使うことのない筋肉を使うことで脳を刺激します。
また、頭の中で回転という動きをイメージするため集中力や平衡感覚が求められます。
子供からすると歩く、走る、登ること以外の新鮮な動きはとってもワクワクするし楽しめること間違いないと思います。
実際に我が家では子供の前でお手本として私が前転をやって見せたら大興奮状態。
前転をする際には、床に衝撃を吸収できるヨガマットや布団などを用意します。
腕の力がまだ弱い3歳までの子供は頭を床について首に負担がかかりやすいので気をつけましょう。
子供はとっても喜んで`もう一回、もう一回`と盛り上がって
寝る前の時間だったにもかかわらず、興奮状態でその日は中々眠りにつきませんでしたので、
なるべくおやすみの1時間前は避けるようにしましょう。
10歳までは勉強より運動!脳と心を育てる幼児体操の効果 まとめ
これまでおうち体操を通じで得られる効果とやり方について述べました。
子供の成長が最も著しい時期に様々な身体能力を高めておくことは、
脳内神経細胞の形成に役立ち、学力はもちろん心や性格にも影響することが分かります。
子供はそれぞれの体操に取り組んでいくうちに「もう一回、もっとやりたい」「できた!嬉しい!」と感じること通じて挑戦する楽しさを分かっていきます。
時間がなく、毎日子供をづれて公園に行ける暇がないご家庭でもお手軽にできるおうち体操。
1日30分、いや15分でも取り組んでみてください。
ママやパパと一緒に触れ合う時間は子供にとってその上ない喜びでもあります。
また、一度身に付いた認知・非認知能力は一生もので、子供にとって生涯のプレゼントになります。
そのためにまず、親がお手本として楽しそうにやってみせることから始めてみてはいかがでしょうか。
今、この瞬間を我が子の輝く将来の土台としてあげてくださいね。
「参考文献」
私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む